診療看護師(Nurse Practitioner:以下NP)は、臨床経験が5年以上あって大学院修士課程の診療看護師教育課程を修了した看護師です。当院では大学院修士課程修了、38行為21区分全ての特定行為研修修了、日本NP教育大学院協議会が実施するNP資格認定試験合格の3つの条件を満たした看護師が藤田診療看護師(Fujita Nurse Practitioner:以下FNP)として採用されています。FNPは入職後２年間は各診療科のローテート研修を通して幅広い知識や技術を学ぶことができ、3年目からは診療科を固定して活動します。私は2023年度からFNPとして、心臓血管外科で周術期における患者管理に関わっています。特定行為に限らず、医師と協働して相対的医行為やカルテの代行入力、病棟だけでなく手術室での手術助手業務も行なっています。

学び続ける姿勢と楽しんで働くことを心がけています。看護師としての経験があっても、新しい場所や分野ではほとんど役に立たないことがあります。医師と協働して医療を提供するには幅広い最新の医学的な知識が必要であり、常に学んで日々の活動に活かせるように自己研鑽が必要になります。また、看護師として働いていた頃に比べると、1つの病棟や部署だけでなく外来や手術室、ICUなどで多職種と関わることが多く、責任も大きくなったと思います。FNPとして活躍するには、これまで以上に責任感を持って医療に携わりながら多職種とコミュニケーションをとってチーム医療を行う必要があります。そのためには楽しむ心の余裕を持ちながら励んでいくことが大切だと感じています。

入職後にローテート研修があり、既にFNPとして活躍している先輩方から学べることが多いと思ったからです。ローテート研修ではさまざまな診療科で学ぶことができ、年々研修できる診療科が増えています。私は2年間で10診療科（ER、麻酔科、消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、救急総合内科、腎臓内科、小児科、放射線科）で研修しました。また、日本で活躍するNPの人数はまだ少ないですが、当院は2023年時点で33名在籍しており、NPとして5年以上の経験を有する先輩が半数以上を占めます。診療科は異なっても気軽に相談に乗ってくれる先輩が多く、活動や役割を果たす上で悩んでいたり指導を受けたいと思っている方にはメリットのある環境だと思います。

初めてFNPとして患者さんの管理を一通り託されたときは、責任の重さと緊張感がより一層大きく感じたと同時にFNPとして働ける楽しさがあったのを印象深く覚えています。看護師として働いていたときは当たり前に実施していた検査や点滴、栄養管理も、FNPになった現在は実施内容から自分で考えて医師に相談し協働して行います。その実施内容が患者さんに適しているか何度も見直し、患者さんが安心してより良い医療が受けられるように注意深く行動することにやりがいを感じました。また、FNPの同期が5名いることは働く上で支えになっています。活動する場所は異なっても、経験や思いを共有したり、悩みを相談できるので心強く感じています。

私は心臓血管外科に診療科を固定してからまだ数ヶ月のため、まずは円滑に通常業務を遂行することが目標です。基本的な業務を抜け目なくしっかりできるようにすることは医師や看護師との信頼関係を築く上で一つの基盤になると思います。特に手術室での業務は初めて経験することが多いので、一度学んだことを次に活かせるように心がけながら活動しています。今後はFNPとして患者さんの早期回復・退院にどのように貢献できるかが課題になると思います。心臓血管外科ではFNPの先輩が3名在籍しているので、先輩方の仕事ぶりから学びながら、さらに良い医療を提供できるように新たなFNPとしての役割を見出せるよう精進していきたいと思います。

基本土日休みですが、最近は土曜日勤務やオンコールが始まったため、時々平日にお休みがあります。旅行に行ったり美味しいものを食べに行ったりしています。名古屋には美味しいお店がたくさんあり、イベントもあるので、季節が変わるたびに次は何をしようかと計画することも含めて楽しんでいます。桜の開花時期は鶴舞公園のワインのイベントや栄のビールのイベントに参加し、夏期は長野の温泉旅館に泊まりに行きました。温泉旅館では、温泉だけでなく地酒や地元の漬物もたっぷりいただいて、夜は綺麗な星空を眺めながら眠りにつき、幸せな時間を過ごしました。次のお休みには岐阜の郡上八幡の郡上おどりへ出掛けて屋台グルメを楽しみつつ、盆踊りをしたいと計画しています。